MIKUMARI
高精度基準信号分配技術
加速器の高強度・高輝度化により、検出素子の増加とそれに伴う測定装置の大型化が進んでいます。この巨大で多量のデジタルデータを生成する装置を制御するためには、距離が離れた複数の検出素子読み出し回路間において、それぞれが調和して動作するために良い精度で時間が揃っている必要があります(同期が取れているという)。この目的のために、実験では複数の基準同期デジタル信号を巨大な装置全体にわたって分配する必要があります。このデジタル信号分配システムは、精度が良いということは必須ですが、多くのデジタル信号を広範囲に送受信するために、使用するケーブルの本数も少なくかつできるだけ簡単に組み込める必要があります。我々はMIKMARIという基準信号プロトコルを開発しました。
MIKUMARIは、CDCMデジタル変調技術をベースに開発された基準信号分配プロトコルで、その特徴は、多
くの分配システムが必要としている特殊な復調変調回路が必要ないため、長期にわたる素粒子原子核実験においても開発維持が容易であることです。また光ファイバー一本で複数信号を送受信できることから装置の巨大化、センサーのチャンネル数の増加にも対応できます。