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高エネルギー物理学研究者会議 および原子核談話会 KEK素核研 総会事前報告(2019年9月11日)

・エレクトロニクスシステムグループ

本グループはつくばと東海両キャンパスで開発拠点を維持している。我々は今後重要となる高輝度高強度加速器実験用検出器読み出しシステム構築のための研究開発を組織的に進めている。

1)エレクトロニクスシステムグループ東海分室

6月に東海分室室長が退職したため、それに伴いグループリーダーが東海分室室長、Open-It取りまとめ等を兼任中である。今年度は前年度まで行なっていたことを継続しつつ、関係者と相談しJ-PARC利用者を中心とする共同開発等について進めている。SiTCP10Gbpsに関しては、基本部分は動作しており今年度中に動作試験まで終了させる予定である。

2)SOI検出器グループ

SOI検出器グループでは、素核、宇宙、物質、生命科学分野の研究者と共同研究を行い、それぞれの研究に必要なSOIセンサ開発を進めている。国際共同研究については、中国IHEP,ポーランドAGH,フランスIPHCの研究者と協力し計数型SOIセンサや、BelleIIアップグレード向け、あるいはILC等の次世代加速器による物理実験向けSOIセンサ開発研究を進めている。SOIピクセルプロセスの利用拡大を目指し、4月にSOI量子イメージセンサ・コンソーシアムを設立し、6月に第1回目の研究会及び設立総会を実施し、企業からの参加者29名を含む73名の参加を得た。TIAかけはしについては、前年度からの継続事業として「3次元積層半導体量子イメージセンサの調査研究」が採択され、さらに、「中性子マイクロスコープの実現に向けた調査研究」が新規に採択された。

3)高集積システムインテグレーション

東海分室と協力し、ア)高耐放射線化R&D イ)高集積高機能化R&D を中心に国内外のグループと協力推進おり下記に一部の内容を記す。これらは放射線科学センターおよび物材機構と連携で獲得した英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業外部資金、科研費企業との共同開発および実験プロジェクト資金を含む外部資金にって進められている。

ア)耐放射線耐化R&D

高放射線耐性半導体光検出器の実現のための調査研究・Grad(~10MGy)でのトランジスタ耐放射線測定いくつかのトランジスタサンプルについて1MGyまでの照射試験が終了し動作していることが確認できた。現在より詳細な特性を調査するため複数のトランジスタをQSTにて1MGyまで照射中である。

・GHzアンプ、ADC等の耐放射線についても試験中である。現状ADCについては100Mradまで動作している模様。詳細報告は次回。

・TID回復機能検証用TEGTIDによるMOSトランジスタの性能劣化を電気的な処理で回復する機能を検証するたにトランジスタTEGを2019/6に試作した。秋以降評価予定である。

イ)検出器高集積高機能化R&D

・g-2シリコンストリップ検出器用フロントエンドASICの開発九州大学と協力して評価を進めており、量産用の集積回路を8月中旬にサブミットする。

・Belle-II CDC用の8ch ADCについては評価の結果正常動作が確認され、I/Oを含んだ消費電力は現状の1/8程度となった。12月にアナログフロントエンドまで含んだチップを開発予定。

・ATLAS PP-ASICの開発TGC ASD 信号のタイミングアライメント回路, 約1ns分解能、ダイナミクレンジ約50nsの量産品を2019/4より評価を開始し,すべての機能を満足することを確認した。今後複数チップの評価を行い歩留まりの確認をする。

・ピコ秒分解能マルチチャネルTDCの開発東大VDECとの共同研究で、8ch, 4ピコ秒分解能, 2.56マイクロ秒ダイナミックレンジの時間デジタル変換回路を開発している。設計、レイアウトを完成し、2019/6に試作を開始し2019/10から評価予定である。

・ADC+SiTCPの開発 8ch, 10bit, 10MS/sのADCを内蔵し、1Gbps SiTCPを用いてデータ転送が行えるASICの設計、レイアウトを完成し、2019/6に試作を開始した。小型、低消費電力であり、様々な計測機器への応用が期待できる。