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エレクトロニクスシステムグループ報告

・エレクトロニクスシステムグループ
 本グループはつくばと東海両キャンパスで開発拠点を運営し、連携して 国内外で進行しているプロジェクト用半導体センサー、集積回路、モジュール DAQシステム開発を行っている。
0)Open-It関連(http://openit.kek.jp)
今年度はオンライン授業で計測と制御を開催した。7/27〜7/31:参加者数76名、内単位取得希望者16名
今後ASICトレーニングコース 9/23〜9/25、FPGAトレーニングコース 9/3〜9/4 を開催予定である。
1)エレクトロニクスシステムグループ東海分室
東海分室ではJ-PARC実験向けを中心としてFPGA技術・バックエンドシステムの開発を進めている。9月に新しい准教授が着任し、今後J-PARCハドロン実験へ向けた連続読み出しDAQのフロントエンド・バックエンドシステムの開発等を主導する。現在J-PARC計測システム研究会を企画検討中である。BBTと共同で10G SiTCPの開発を進めており、9.3Gbpsの転送速度が得られた。開発を継続し早期製品版リリースを目指す。COMETストローチェンバー用読み出しカード(ROESTI)の実験投入の最終段階。COMET-DAQで1GB/sでイベントビルト・書き込みする性能を達成できた。
2)SOI検出器グループ
将来の高エネルギー実験に向けた半導体崩壊点検出器を海外研究機関と協力して開発している。必要とされる分解能、放射線耐性、読み出し速度、低消費電力化等の厳しい要求を達成すると共に、検出器の大面積化、システム化を目指す。今年度はMPWランを11月に予定しており、試作チップの設計を進めている。
3)高集積システムインテグレーション
東海分室と協力し、ア)高耐放射線化R&D イ)高集積高機能化R&D を中心に国内外のグループと協力推進おり下記に一部の内容を記す。これらは放射線科学センターおよび物材機構と連携で獲得した英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業外部資金、科研費、企業との共同開発および実験プロジェクト資金を含む外部資金によって進められている。
ア)耐放射線耐化R&D高放射線耐性半導体検出器の実現のための調査研究
・Grad(~10MGy)でのトランジスタ耐放射線測定
65nm半導体プロセス評価を進めている。1MGyまでトランジスタで劣化はない。10MGyまで種々のトランジスタ形状の評価及び異なったバイアス条件での評価を継続中である。またTID劣化影響を電気的に回復させるための手法について2.3MGyまで特性が回復することを確認した。
・集積回路について
ADCに関しては、3MGyでは性能が劣化してないため更に照射を検討中である。
・ダイヤモンドセンサーからの微弱信号を増幅・整形する回路を高放射線耐性を持つトランジスタを用いて設計し、センサーからの信号読み出しに成功し設計通りの性能を確認した。
・シリコンカーバイトピクセル検出器
産総研と共同で50umという厚いエピ層を用いたSiCピクセル検出器の開発が進行中である。素子単体の評価試験と2次元の読み出しASICとフリップチップの実装を進めている。

イ)検出器高集積高機能化IoT化R&D
・g-2シリコンストリップ検出器用フロントエンドASICの開発
128チャンネルのアナログ・デジタル混載チップSliT128Cの性能評価が完了し、要求性能を全て満たしていることが確認された。量産を行う。
・Belle-II CDC用のASD+ADC ASICの開発
消費電力の削減を目標とし、ASD+ADC(8ch)のASIC開発を進めている。ASDは現行のASICと比較して低ノイズ化高性能化等を行い消費電力が約1/3に削減に成功した。
・ピコ秒分解能マルチチャネルTDCの開発
東大d.labとの共同研究で、8ch,4psec分解能,2.56usecダイナミックレンジの時間デジタル変換回路を開発している。
・TCP-ADC開発
8チャンネルADCの出力を1GbEを通してコンピュータへ送ることが可能な高機能集積回路の開発中で改良版を製作し今年度中に評価を行う。
ウ)モジュール開発
高輝度LHC-ATLAS実験に向けたミューオン検出器トリガー・読み出しシステムで用いる回路基板を東大・名古屋大とOpen-Itプロジェクトで開発している。現在、各機関の大学院生や研究者により、3つの開発プロジェクトが進行中である。COMET実験で用いるエレクトロニクス開発の放射線耐性試験を行い、種々の開発が行われている。